
2009年9月6日
午前9時50分
広島県広島市
JR広島駅
9月になって18きっぷ2回分を使い切ってやろうという旅・第2弾です(第1弾はこちら)。
1日目は中国山地の中心を貫く感じで進みましたが、今回は海沿いを攻めていきます。
その中でも、初っ端にしてメインイベントであるのが、広島から三原に掛けて延びる「呉線」。よく似た感じで赤穂線もありますが、それ以上に海に面しており、オーシャンビューが楽しめることで有名な路線。
そこに、最近臨時快速として「瀬戸内マリンビュー」という列車が運行しているとの情報を得、折角初めて乗るんだったら良い列車で行きたいという思いもあり、乗ることになりました。
まず、時刻表で驚いたこと2つばかり。
まずひとつめ。
気動車!?
電化区間にもかかわらず、この路線に似合わず気動車で行くとのこと。まぁ改良する列車の事情があってのことでしょう。
そしてふたつめ。
指定席車両あり??
後で知った話、この快速には普通車1両と指定席車1両の計2両となっており、口コミでも「指定席は絶対に取っておいた方が得です!!」と押す方が多かったこともあり、昨日(9月5日)広島に着いたと同時にみどりの窓口にてダメもとで指定席券を尋ねてみたら、すんなりと「ありますよ」とのことでした。
しかもご親切に座席は何処が良いかまで聞いてくる対応ぶりに驚きました。しかし、前日とあってか海沿いの窓席は満席。しかたなく通路側の進行方向席をゲットいたしました。
端から「自由席で早く来て並んで待てばいいや」と思っていただけに、その余裕あってか、ホテルで朝食バイキングを存分に楽しむほどの余裕がございました。
◆第1ランナー
呉線 臨時快速「瀬戸内マリンビュー」1号 8232D 三原行き

しばらくして、東方向からゆっくりゆっくり碧い車両がやって来たと思ったらそれでした。
列車が来る前にアナウンスはしきりに自由席と指定席の区分を説明しておりましたが、後にその強調する理由が分かりました。

これも後で気が付いたことですが、扉は各車両1つしか無いんですねぇ。改良されたとは言え、これには驚きました。
進行方向より前(2号車)が自由席、後ろ(1号車)が指定席車両です。トイレは2号車側でしたが、それも後で理由がありました。

自由席・指定席各車両とも外観はレトロを強調したデザインになっておりましたが、違いは何と言っても座席。白くてふわふわとした座り心地の良いソファーが山側にC型になって、まるで海を望むかのような姿勢にならざるを得ない格好に。当然海側の座席はデスクを真ん中に固定した、足下も広いスペースに。ただ窓側、出っ張りまでは外せずに少し座りにくくなってました。そういう意味では通路側の方がいいかな、と。網棚はなく、ドア付近にある荷物入れに入れる格好です。
わたくしが座った座席は窓側2名が姫路から来られた女性でこれから呉に観光するのだとか、もう1方はわたくしと同じ18きっぷを使い切るために広島から乗ったのだとか。車内は鉄道の話や広島の地方話で弾みました。

呉線に入るまでに、海田市で停車、その他にも扉は開かないけど数回停車。単線なので反対方向からの電車を待たなければなりません。
写真で見えるのは江田島。広島はこういう陸続きのような島が結構あります。

話し込んでいたら、あっという間に呉に到着。考えてみれば、呉までノンストップ(事実上はね)だったわけで。
女性2名はここでお別れ。入れ替わりで今度はお年を召されたご夫婦が窓側に相席となりました。
先ほどから一緒のご老人とこのご夫婦、実は共通点がありました。

実は進行方向向かって前方に、指定席とは別にソファーが5人分ほど設けてあり、さらにカウンターが4席設けてあります。
ただしこれは指定席券を持っている者だけに与えられる特権であり、自由席ではありません。
この列車は広から各駅停車に変わるため、途中で乗り込んできた客が間違えて座ってしまうケースが多く、そのたびに車掌さんがお断りをするシーンをよく見かけました。中には「そんなのしらねぇよ!!」って怒る一幕もありましたが…
ちゃんと見て下さいな。指定席車って書いてまっしゃろ?
ご老人とご夫婦は、以前この車両で同じ経験をしたことがあり、今回リベンジ(?)でしっかり指定席券をゲットして乗り込んだんだそうです。そりゃあ、わたくしだってひょっとしたら、自由席からお邪魔してたかも知れませんねぇ…
でも、それは510円払って指定席券をゲットできた者だけにしか味わえない至福の空間。
安いけど上品な心意気がありますが、昔はこれに加え車内販売もあったんだとか。
う〜ん、無くなって残念!!



呉線には、こうやってイラスト付きで駅を紹介しております。
画像は広から4駅先の「安浦」駅。
「はぐれ刑事純情派」を思い出すのはわたくしだけでしょうか?
安浦から先は色んな瀬戸内風景が眺められます。

牡蠣の養殖をやってる海辺。

この画像とは恐らく違うと思いますが、ご老人曰く「毒ガス島」と呼ばれた島があったそうです。今でも資料館があり、その時の様子などが閲覧できるそうですが…

遙か向こうに「しまなみ海道」が見えます。最近高速道路と橋が繋がり、全通したそうです。

三原に近づくに連れ、造船所があちこちで見受けられました。
マリンビューのカウンターから見たら、こんな感じ。

列車は約2時間半かけてようやく三原駅に到着です。
そんな時間掛かってるとは思えないくらい、楽しいひとときでした。


しかし、車内殆どの人と話を交わしたのは初めてで三原駅に到着して車両から降りる時、一人一人と握手を交わし別れの挨拶をするなんて今までに無い出来事でした。
皆さんそれぞれの旅程があり、ご夫婦は新幹線で帰路に、18きっぷ潰しのご老人は福山で福塩線と芸備線を乗り潰して広島に帰るんだそうです。色んな話をありがとうございました。

わたくしは一度改札を出て三原駅の外へ。
…新幹線の駅だってのに、閑散としてるのは、何故!?

◆第2ランナー
山陽本線 各駅停車 448M 岡山行き
瀬戸内マリンビュー号が到着し、すぐ乗り換えられた電車とはまた別に、今度は座席が地元の新快速さながらの電車に乗ることが出来ました。見た目は一緒なんですが、最近はリニューアル車が多いので助かります。なによりも転換クロスシートが嬉しい!

糸崎−尾道間は古い工場の車窓が沢山見受けられます。聞くところによると、工場萌えの方も結構いらっしゃるそうで、ここはレトロな意味では穴場かな?と。

尾道へ続く道は、海沿いに元気よく延びております。国道2号線との併走がまた良い!

尾道駅もレトロな駅舎でちょっと有名?なんでしょうか。
一度尾道ラーメンを食べに行列に並んだことがあります。

しまなみ海道の入り口・尾道大橋。
渡り船は今でも健在です。
実は、これが終わるとまったりとした風景が続きます。
不覚にもわたくし、睡魔に襲われ、落ちてしまいました。
倉敷近くで目が覚めて「さぁ〜、鬼門の岡山−姫時間をどうしてくれようか…」と、本日未だに出していないカードを出すか出さないか迷いましたが、ふと見上げるとこんな広告が。
『EX−IC、山陽新幹線も使えるようになりました!!』
おおっ!!
これは是非使わねば!!
(※相生駅は使えませんでした)
早速携帯片手にチャチャッと予約。
運良く「ひかりレールスター」の良い席をゲット致しました。
◆第3ランナー
山陽新幹線 「ひかりレールスター」562号 562A 新大阪行き

ただ、乗り換え改札でちょっとしたハプニングが…
わたくしは18きっぷ片手にまさにEX−ICとスマートICOCAで新幹線に乗ろうとしているので、当然スマートICOCAは改札に通っていないわけだから
♪ピンポ〜ン
って鳴りますわな。
そしたら、改札も何やら秘策があるらしく、1枚の券を渡されてEX−ICをかざしたら通れました。
勿論、姫路でも同じく、1枚の券を渡されて通れましたけど…
だったら最初から一旦改札出てから入り直せば良かったかな?と少し反省しております。ただ、乗り換え時間が短かったんでね…。駅員さん気を遣ってくれたんだと思います。

岡山ももうすぐ秋。
そういえば、昼飯食べてないことに気が付いて、新しくなった姫路駅の構内にあった吉野家で牛丼を軽く食べ、後は車内で食べることにいたしました。
さて、それではいよいよラストラン!
◆最終ランナー
東海道・山陽本線 新快速 3272M 野洲行き

この新快速に乗ってしまえば、もう家路でございます。
嬉しいことに12両編成と超長い!!
この顔見てようやく帰ってきたなぁと実感します。
車内も網干発故にガランガラン。
座席に座って発車…っと、
ゆっくり動いたかと思ったら、すぐに急停車。
どうやらホームの客と新快速が接触したっぽい模様。
見送り客が巫山戯てたのか知りませんが、最近電車が動いている際に黄色い線の内側に行かないバカが多いモンで…
危うく電車が止まるんじゃないかと思いましたが、1分後に発車。
最後の最後に、勘弁して下さいな。

明石海峡大橋。
ここももうすぐ秋ですねぇ…
【完】