2009年02月24日

マイケル・ブレッカー「Pilgrimage〜聖地への旅〜」

前回に「ブレッカーブラザーズ」を紹介した際に、「大人でないと聞けない音楽がある」っていう風に書きましたが、今回はそれ以上です。

申し訳ございませんが、かなりのジャズかフュージョンを知らない方、或いはパットメセニーかブレッカーブラザーズを御存知でない方には、この記事さっぱり意味分かりません。

今回紹介するアルバムって、それほど奥深すぎます。


前回のエントリーで紹介したとおり、不肖ながらわたくし、先日までマイケルブレッカーが亡くなったことすら知らずに、アルバムもホコリを被っていたというダメ人間なわけです。
そんなわたくしにこんなエントリーなんて許されるものか…と思い悩みましたが。

単純に言うと、フュージョン系のソロアルバムというのは、コード進行もそうですが、複雑なサウンドが折り重なって出来る作品なもので、一種のアート的な感覚があります。
もっと簡単に言うと、複雑なサウンドから得られるものってのがあるというところでしょうか。
ただ、こういうセッションは一つひとつの音をムダにせず、大切にしていくという事をモットーとしております。
今回のアルバムは、彼が肉体的に限界があるにもかかわらず臨んだ作品である以上に、周りのアシストが見事にマッチした、素敵な音に仕上がっています。
全曲にパット・メセニーが参加し、他にハービー・ハンコック,ブラッド・メルドー,ジョン・パティトゥッチ,ジャック・ディジョネットも加わった、フュージョンを知る人にとっては贅沢なセッションと言ってしまうほどの勢揃いだったわけです。

それは、聴いてみて分かりました。
最初の「The mean Time」の活気良さに、新しい”Time”を見いだし、次の「Five Months From Midnight」でピアノのサウンドと絡んだ優しいマイケルの旋律をゆったり聴きながら、さらに「Anagram」で変わり映えのあるサウンドを楽しみ…。
恐らく誰もが好きこのむんじゃないかな?って思うわたくしのイチオシは4曲目の「Tumbleweed」。歌ってるのはわたくしの独断ですがパットメセニーでしょう。あの人自分のアルバムでもよく歌うから(笑)。ギターとシンセの浮揚にサックスの旋律がぴったり合うんですわ。
その後は全体的に優しく柔らかめの曲が続き、最終曲「Pilgrimage(邦題:聖地への旅)」は、本人が自負していたのか?と思うほどに、どこかへ旅立っていくような、「でも最後じゃないんだよ」って感じのするサウンドでしたね。
「聖地への旅」ってアルバムにあるものだから、てっきりしんみりくるものかと思ってましたよ。
そうでもなく、まだこの先続きがあるような感じの終わり方だったんで、その先は垣間見なくても、マイケルブレッカーとしては良い感じに終われたんだなぁ…と確信というか、確認したというか。
う〜ん、まだ迷ってるなぁ。

多くの方が「これは遺作じゃない」っていう表現をされてますが、わたくしも悩んでるくらいですから、結局のところ、まだ現役を走ってるようにしか聞こえないんでしょうねぇ。
トラック平均約8分強って、凄すぎませんか?
これが2週間後に亡くなる人のする仕事なのか!?って…
それほどに凄すぎる方だったんだなぁ…と、今も聴いていてしみじみ思います。


もう少し早くハマってて、マイケルがもう少し長生きしてくれてたら、ブルーノート辺りで美味しいお酒片手に生演奏が聴けたかも知れないのに…


なんて贅沢な後悔をしながらも、遅すぎるマイケルブレッカーへの哀悼の意を申し述べたいです。

恐らく、これからも探して聴きまくることをお約束し、
改めまして、遠く滋賀から、ご冥福をお祈り申し上げます。


posted by T.Kiyomizu at 19:00 | 滋賀 ☁ | Comment(0) | TrackBack(0) | サウンドリコメンド
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